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米国のマイクロファイナンス

ソーシャルレンディング、あるいはピア・ツー・ピア(P2P)レンディングと呼ばれることが多くなっているようですが、世界で最も裕福な国の一つである米国にもマイクロファイナンスはあります。さきの定義のところで述べたように、ローンの金額がより大きいこと、用途が生産活動ではなく消費活動にも使われることがある点などで、開発途上国で伸張してきたマイクロファイナンスとは異なりますが、公益が主体であること、儲けることが前面に出てきていないことなどでよく似ています。以下、いくつかの事例を挙げて、米国の公益にかなう融資である、ソーシャルレンディングを解説したいと思います。

先ほどのスタンフォード大学のフォーラムでは、ソーシャルレンディングの特徴として、借り手にとってはより安い金利、貸し手あるいは投資家(個人を想定していますが)にとってはより高い金利や利回りを挙げています。二律背反のようですが、ローンに通常関わる銀行などの仲介者を排除することで、安く貸しても高いリターン(報酬)が貸し手や投資家の手に残る、という論理です。銀行が介在することでどれだけ借り手にとっての金利が上がり、投資家の利回りが下がるかということにまで踏み込んではいませんが、感覚的に借り手と貸し手が直接、結びつくと双方に利益がある(かもしれない)ということは理解できます。

銀行家の論理ですと、それはあり得ない。なぜならば、借り手と貸し手の双方がお互いを見つけ出すのは砂の中から砂金を見つけるくらい、あるいは海の中で真珠を探し出すほど難しいからということになります。私たちも大学の金融論でそう習いました。しかし、世界中でインターネットが驚くべき発展を遂げたことにより、また途上国では貧困層を抜本的に救おうと村単位ではなく、個人単位で貧困の度合いを探ろうとする近年の試みなどにより、借り手と貸し手が一対一で接点を持つことが不可能でなくなりました。これを通常の「ローン」という形で行いますと、日本では銀行法や貸金業法の及ぶところとなり、一般個人が関与することがまだ難しい状況です。

ところがNPO(非営利法人)を間に入れたり、両者の仲介に徹したりすることで自らは大きく儲けようとしないのならば、日本でもマイクロファイナンスを金融機関以外が行う道はあります。米国でも日本と同様に、銀行は特殊な業態として守られています。リーマンショック後、個人や企業などがサブプライム関係の商品で大損しても保護されなかったのに、銀行(と認定された機関)だけは政府から救済を受けることができました。日本と同じく、預金を受け入れ、それを貸し出すことを業として行う銀行は、米国でも大切にされています。

グラミーン銀行が活動するバングラデシュ

グラミーン銀行の成功に伴って、先進国の企業も続々とグラミーン銀行との提携を始めます。グラミーン銀行が活動するバングラデシュはもともとジュート(麻製品)の生産が盛んな地であり、縫うことや織ることに熟練した人口(そのほとんどは女性)を多数擁していることはすでに述べた通りです。ゆえに服飾を営む日本企業が強い関心を示しました。以下の記事をご覧ください。「ユニクロ、バングラで合弁会社 グラミーン銀行と」ユニクロを展開しているファーストリテイリングは、二〇一〇年七月一三日、貧困救済に努め、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミーン銀行と、安価な衣料品の企画や販売を行う合弁会社を同国で設立すると発表した。

ユニクロの製造工場があるバングラデシュは世界の最貧国の一つといわれる。生活改善と雇用創出への貢献が狙い。資本金は十万ドル(約八百八十五万円)でファーストリテイリング側が九九%出資する。現地工場で一着一ドル程度の衣服を地元向けに製造し、グラミーン銀行のネットワークを活用して人を集め、販売を委託する。利益は事業拡大に再投資し、三年後には一五〇〇人の雇用を創出する。(二〇一〇年七月一三日付、共同通信配信記事より著者が抜粋、編集)続いて食に関係ある企業がグラミーン銀行との提携を発表しました。「雪国まいたけ、グラミーン銀行と合弁、農業で貧困者の生活支援に」加工食品を手がける雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)が、バングラデシュのグラミーン銀行系の財団と合弁会社を設立し、農業分野で雇用機会を作り貧困者の生活支援に役立てる「社会ビジネス」を始めることが二〇一○年一〇月二一日わかった。

一日本企業とグラミーン銀行との合弁事業は、ユニクロを展開するファーストリテイリングに続き二例目。収益事業と社会貢献事業を兼ねた取り組みは貧困対策に有効とされ、同様の手法を用いた日本からの進出企業が今後増える可能性がある。合弁会社は、バングラデシュで緑豆を栽培する計画。モヤシの原料として使用できるものは日本に輸出し、それ以外はバングラデシュ国内で販売する。グラミーン銀行は事業を通じて雇用が生まれるほか、農産品の輸出拡大につながると期待している。(二〇一〇年一〇月一二日付、共同通信配信記事より抜粋、編集)その後もグラミーン銀行との提携発表が相次ぐと思われましたが、二〇一一年夏現在では目立った動きはありません。

グラミーン銀行にまつわる政治の動きと三・一一東日本大震災の影響があるものと想像されます。しかし、後者は労働集約型の日本国内の工場の海外移転を促進させると予想されるため、年明け頃からまたバングラデシュに限らず、新興国、開発途上国でのマイクロファイナンス機関との提携が始まるような気がします。グラミーン銀行については、二〇一一年三月に総裁であるムハマド・ユヌス氏がバングラデシュ政府によって解任されました。これを政治闘争と見るか、グラミーン銀行の私物化と考えるか、さまざまな論調があります。これについては、グラミーン銀行以外のマイクロファイナンスを行う機関の分析(後述します)のところでまた考えてみたいと思います。

グラミーン銀行とムハマド・ユヌス

さて、マイクロファイナンスの世界で最も有名なグラミーン銀行(グラミンと呼ばれることが多いのですが、ここでは原語に近いグラミーンで統一します)については解説書が多く出ていますので、ここでは簡単な解説に留めます。グラミーン銀行の仕組みは一般的に以下のようにいわれています。

・零細個人事業者(ほとんどが女性)が連帯で保証しあって(概ね同じ村に住む五人程度で)小額のおカネを借りる
・その元手(借りたおカネ)で材料を朝、買い、日中仕事をして製品を夕方に納め、代金を得る
・その代金のうちから借りた元本に一日分の利息を加えた金額を返済する
・これを続けることで、零細事業者に少しずつおカネが貯まり、貧困から脱出できる
・万が一、この借り主が返済できない場合には残りの保証人が連帯して返済する(返済ができない状況が続くと、この事業者に連帯保証をしてくれる人がいなくなる)
・病気で事業者が仕事できない場合でも短期間なら、借り主・保証人は互いに支えあって、生活を維持することができる

グラミーン銀行の貸倒率(貸したおカネが返ってこない比率)は二%以下だといわれています。一人当たりの平均借入額や利息は状況に応じて変わるようですが、概ね平均貸出額は二万三千夕力(一タカ一・○九円換算で、約二万五千円)、平均貸出金利は二〇%内外のようです。日本のカードローン金利の上限に似た数字で高いようにも思われますが、バングラデシュのインフレ率は日本と違って一〇%を超えることもあるので、実質金利は一〇%(二〇%マイナス一○%)ということができそうです。また借入期間も上記で簡略化して示した一日といった短い期間ではなく、一週間とか二週間といった長さが一般的であるとされています。

創始者であるムハマド・ユヌス氏自身の言葉から、グラミーン銀行の成功の秘密を探ってみたいと思います。以下は、氏が二〇〇七年に立教大学で講演した際に主催者が作成したメモ(講演録「グラミン銀行とマイクロクレジット」笠原清志教授、ナシルージョマダル講師)をもとに構成しています。第一に「グラミーン銀行の規則やシステムを借り手が厳粛に守っている」ことを挙げています。規則というのは一六もあるようですが、代表的なものは、「グラミーンクレジット」(グラミーン銀行による小口融資)を人間の権利として推進する、ミッション(使命)は貧しい家庭が貧困から脱出するために手助けする、対象は貧困層、特に女性たちである、無担保で法的契約を持たない、銀行側と借り手との信頼に基づくものであり、法的な手続きやシステムの上で成り立つものではない等でしょう。

二番目は「五人で一つのグループ(が相互管理する仕組み)と毎週の返済(が借り手の規律を保たせていること)」が小規模融資をうまく回していること。連帯保証制度と定期的短期返済の仕組みが優れていると自己評価しています。第三に「借り手のニーズと状況を把握」していること。これは銀行業の基本ですが、銀行の規模が大きくなると個別の借り手へ目が行き届きにくくなります。まだグラミーン銀行は充分に規模が小さいということか、規模が大きくなっても「貸し手の原点」を忘れていないということになります。四番目として、「行員より借り手のほうが融資の使い道を知っているから、いちいち口を出さない」を挙げています。これは大変興味深い視点です。

当たり前のことですが、日本では銀行員が借り手の資金使途をあれこれ詮索することが正しい「バンカー(銀行家)のあり方」とされているので、多くの銀行員には抵抗があるかもしれませんが、相手(借り手)を信頼するところからスタートするという、グラミーン銀行の社是をよく表しています。第五に「貸付後の行員の透明性と親身なモニタリング」です。これは開発途上国では往々にして強者(銀行員など)が弱者(零細な借り手など)に対して横暴に振る舞い、時にはリベート(賄賂)などを要求することがある、という状況が背景にあります。そうした行員の利己的な行為を排し、利他的で「親身な」相談を売りものにしているということです。

続けて、ムハマド・ユヌス博士は、グラミーン銀行の融資および審査方針を以下のように説明しています。

・家族が少なくとも四百米ドル(一ドル八十円換算で、約三万二千円)の価値のある家に住んでいるか、トタン屋根のある家に住み、家族全員分のベッドがあること
・家族全員に掘りぬき井戸から汲み上げた水、もしくは煮沸したかミョウバンで消毒した水、錠剤やフィルターで枇素などの毒素を取り除いた水へのアクセスがあること
・六歳以上の子どもが全員、小学校に通っているか、卒業していること
・借り手の毎週の返済額は二百夕力(約二百十八円)以上であること
・家族全員が清潔なトイレを利用すること
・日常生活で使う家族全員の冬物衣類や蚊から身を守る蚊帳を不足なく持ち合わせていること
・野菜や果物などを栽培して、副収入源を持つこと
・借り手は平均して五百夕力以上の預金を持つこと
・年間を通して家族全員が三度の食事を摂っていること。たとえば、一年間、家族が空腹を経験していないこと
・家族のものが病気になった時に医療機関のサービスが受けられると共に治療費が払えること

もちろん、この条件すべてを充たしていなければグラミーン銀行は融資をしないという訳ではないようです。むしろ、上記の条件が充たされる家庭は「貧困からの脱出」が可能であるとグラミーン銀行は考えるために、こうした基準を掲げ、努力目標として借り手に上記の条件をできるだけ充たしてもらうようにするのだと思われます。さもなければ、自助努力の機会さえ奪われ、最貧困層は決して貧困から脱出することができなくなります。第三者であるアジア開銀は、グラミーン銀行ほかのマイクロファイナンスの活動をこう評価しています。

「アジアの開発途上国は、マイクロファイナンスを貧困の減少に役立ててきました。グラミーン銀行の約二一%の借入者、BRACの約一一%の借り主は、おおよそ四年以内で彼らの家族を貧困から脱出させました。また貧困者の間でも際立って肯定的な影響を及ぼしています。グラミーン銀行の利用者の場合、最貧困層に属する人が三三%もいたのが、一〇%に減り、BRACでは、同様に三四%から一四%に減少しました」時期が明言されていませんが、二〇一〇年前後において、過去一〇年あるいは二〇年の実績を評価しているものと思われます。

零細金融をマイクロファイナンスと狭く定義すること

マイクロファイナンスが本格的に始まったのは一九七〇年代といわれます。当時の世界最貧国といわれたバングラデシュ(一九七一年にパキスタンより独立)で、グラミーン銀行やBRAC(バングラデシュ農村開発委員会、マイクロファイナンスを行うNGO)などが活動を開始したのもこの頃とされます。バングラデシュのお隣のインドでも同様のビジネスがスタートしていますが、これらについては後述します。一方で「ソーシャルレンディング」(社会的融資)という言葉も最近よく使われるようになってきました。米スタンフォード大学の本テーマを巡るフォーラム(二〇一一年五月一七日)では、ソーシャルレンディングを以下のように定義しています。

「ソーシャルレンディング、またはピア・ツー・ピア・レンディング(個人対個人の貸付)は、銀行および(銀行などによる)個人向けローンの代替として急速に伸びています。この手法を用いると、伝統的な金融機関などの媒介なしに、個人が直接、互いに貸し借りを行うことを可能になります」上記フォーラムは電子商取引としてのソーシャルレンディングについて議論しているもので、日本よりもずいぷんと市場規模の大きい米国の状況を踏まえたものであるため大いに参考になります。ソーシャルレンディング、あるいはP2P(ピア・ツー・ピア)レンディングの市場は、「二〇〇七年に六億五千万ドル(約五百二十億円、一ドル八十円で換算)であったのが、二〇一一年には六十億ドル(約四千八百億円)に達すると予測」しています。

インターネットなどを介して個人(あるいはネット金融機関)が直接、個人やベンチャー、中小企業に融資することを可能ならしめるのがソーシャルレンディングだとすれば、開発途上国などで貧困層、低所得者層に小額のおカネを融資するマイクロファイナンスとはやや趣を異にするものだということができます。しかし、途上国でもネットによる銀行などを経由しない融資は可能でしょうし、高利貸しではない真っ当な小額融資を行うことは先進国でも可能なはずです。ネットを使った先進国で伸びている小口金融をソーシャルレンディング、途上国で拡大している零細金融をマイクロファイナンスと狭く定義することもできますが、ここではもっと広くマイクロファイナンスを定義したいと思います。

たとえば、「公益にかなう、高利ではない、銀行などの既存の金融機関がまだ手がけていない小口の金融を含む、低所得者、零細中小企業・事業主のための金融」といった具合です。以下、米国や日本などの新型の(ネットを介在させることの多い)小口金融をソーシャルレンディング、途上国や日本(そう、日本も含みます)などにおいて新たな枠組みで(既存の金融機関を介しないで)提供される小口金融をマイクロファイナンスとしてお読みいただければと思います。厳密にいえば、ソーシャルレンディングとは、「公益」にかなう融資を行うという点ではマイクロファイナンスと同様の意義を持っています。

ソーシャルレンディングは、金額がより大きくなる可能性がある(後述する米国の場合など)、生産活動のみならず、消費活動にも使われることがある(住宅ローンもその一つ)、マイクロファイナンスも包含する広い概念として用いられることがある(公益を目的とした融資)などの点で趣をやや異にしています。いずれにせよ、「金儲け(しかも大きく儲けること)を目的とせず、公益にかない、小口の借り手や資金を必要としている人を支援する(搾取しない)仕組みがマイクロファイナンスである」と理解していただければよいと思います。互換性のある言葉として、ソーシャルレンディングとマイクロファイナンスを使うことがあると思いますが、細かいニュアンスの違いを踏まえたうえでご容赦いただければ幸いです。

マイクロファイナンスの定義

「マイクロファイナンス」という言葉があります。類似の概念であるソーシャルレンディングなどと併せて、世間でどういう意味合いで使われているか、そして私たちがそれに付け加えたい考え方などと共にお知らせしたいと思います。まずマイクロファイナンスですが、(財)国際開発高等教育機構傘下のDAKIS(開発援助情報システムの略)によれば以下のように表現されます。マイクロファイナンスとは、貧困削減を目的とし、貧困層や低所得層、零細事業主を主たるターゲットとする、小口の貸付や貯蓄などの金融サービスです。

担保となる資産を持たない貧困層に対して、グループ連帯保証制を導入して貸付を行ったりするなど、利用者の経済状況に合わせたさまざまな方法を取り入れている点が一般の銀行によるサービス方法と異なります。開発途上国に対する国際的な金融機能を担っているADB(アジア開発銀行。アジア地域の経済開発を支援する国際機関)の定義はこうです。マイクロファイナンスとは、預金、ローン、支払サービス、為替(振込)、保険など広範な金融サービスを貧困、低所得の家庭や事業者に対して提供するものです。マイクロファイナンスのサービスの提供者は、以下の三つの資金源です。

第一に地方にある銀行や協同組合などの公式な機関。第二にNGO(非政府組織)などの半公式機関。第三に金貸しや商店主などの非公式の組織です。制度的な意味でのマイクロファイナンスとは上記の前二つ、公式な機関と半公式機関の手になる上記のサービスである小口金融を含むものと定義されます。マイクロファイナンス機関とは、上記のマイクロファイナンスのビジネスを主たる業務として行う機関と定義されます。両方の定義に共通するのは、対象が貧困、低所得者(もしは事業者)であること、サービスの内容が通常の銀行業務と異なることでしょうか。

このマイクロファイナンスの由来ですが、開発途上国などでは、貧困層や低所得者層に銀行借入のための担保がない、利用額が小さいため銀行が顧客として相手にしないことなどの理由で銀行から融資(借入)を受けるのが難しい人々が多くいます。こうした潜在的利用者(借入希望者)に対して、現実的な代替策を提供するために生まれたと理解されています。また、小口の貸付に注目する場合は「マイクロクレジット」(小口信用)、保険やリースなど融資以外の形態も含める場合に「マイクロファイナンス」と使い分ける人もいるようです。

庶民のための金融機関

信金の理事などの役員は銀行と同じく有限責任(倒産しても個人財産まで取られることはない)ですが、信組の役員は無限責任を負います。また信金の役員には一口以上の出資者ならだれでもなれるので、ガバナンス(企業統治)という点からはいろいろと問題が発生してきます。たとえば、理事長が長い期間、その地位に居座っているとしても彼を辞めさせる手段は会員・組合員総会などしかなく、極めて限られていることなどが挙げられます。この信金は、二〇一一年三月末で二七二庫、信組は同じく一五九組合あるといわれています。地銀や第二地銀よりも数が相当多いですね。ところが一金庫、一組合当たりの預金額や融資額はかなり小さいので、本来であればずっと庶民に近いところに位置し、零細企業や富裕でない個人のニーズに応えていなければなりません。

実際にはメガ信金と呼ばれる大手の信金などは預金量、融資残高などが地銀よりも多い場合があり、名前とは裏腹にかつての都市銀行を志向しているのかと思うようなことがあります。さきで紹介した私の友人A(メガでも地銀でも門前払いを食わされた)は、信金の支店を訪れたことがあると言っていました。対応は地銀の場合とほとんど変わらず、「融資の前に預金をせよ」とか「預金取引が数年ないと融資は考えられない」という同じような対応をされた挙句、「個人向けのカードローンなら審査できる」、「ただし、信金各庫が出資して作っている保証協会の審査に通るのが条件」と、これまたメガや地銀で聞くのと同じ条件をつけられたといいます。

庶民のための金融機関ならいろいろと融通が利くだろうと、粘ってみたようですが、むしろメガのほうが商品数がある分だけ選択肢が多く、信金で借りようとするより楽なのではないかと感じたようです。年収制限などはメガよりも信金や信組は低く設定しているようですが、「地域金融機関」という建前があるためか、今住んでいる家の住居期間とか働いている場所が近くかどうか(つまり、この信金の営業地域内かどうか)などを繰り返し聞かれたと語っていました。私自身も大昔に個人会社を設立する際、信金と都市銀行(当時)の二つで設立金の払い込みをしました。

信金のほうがずっと早く口座開設をしてくれるかと思えばそうではなく、都銀とほぼ同時期にようやく法人の口座が開けました。小さいのに意思決定が遅いというのはどうしたことでしょう。富裕でない個人や零細企業にとって救いの神となるはずの信金、信組はその本業であるローンに関して商品数や多様性が少ないことは驚くほどです。ここでは商品比較を行うことはしませんが、ご関心のある方はどこか一つの信金、信組と銀行の商品ラインアップを比べてみられるとよいと思います。有り体にいえば、信金も信組も一般利用者にとっては銀行(メガであれ、地銀であれ)と変わらない、同じように利用しにくいということなのです。